一般内科
一般内科
病原体が鼻やのどから侵入し、体内で炎症を起こします。症状は、せき、鼻水、のどの痛み、発熱、倦怠感などがあり、原因の9割以上がウイルスによるものと言われています。いわゆる抗生物質(抗生剤)は、細菌感染症の治療の際に使用する薬剤ですので、ウイルス感染が疑われる場合には用いないことが一般的です。また、“かぜ”と思われていた患者さんの中に、髄膜炎や敗血症など、時にかなり重要な病気が紛れ込んでいることがあります。 かぜの治りが悪い場合に、その後肺炎に進行する場合もありますので、快方に向かうまでは、医師の指示に従い、通院頂くことをおすすめします。熱や諸症状の経過を、見極めながら、治療されることが大切です。
インフルエンザウイルスに感染することによって起こる病気です。インフルエンザに感染すると、平均2日間(1~4日間)の潜伏期間の後、38℃以上の高熱や筋肉痛・関節痛などの全身症状が現れます。風邪よりも急激に発症し、全身症状が強いことがインフルエンザの特徴です。また発症早期から咽頭部にインフルエンザ濾胞と呼ばれる、イクラのような粒状の所見が出てくることも特徴のひとつです。
元来健康な人であれば、症状が3~7日間続いた後、治癒に向かいます。
一方、65歳以上では2~3%に細菌性肺炎の合併があると言われています。呼吸器、心臓、腎臓の慢性疾患や糖尿病治療中の患者さんでは、インフルエンザ合併症を併発するリスクが高くなるため、毎年、流行期前のワクチン接種をおすすめしています。インフルエンザは重症化すると肺炎や心不全増悪などの懸念があり、基礎疾患をお持ちの方で、インフルエンザに罹ったかなと思われる場合は、診断や治療方針の決定のため、受診されることをお勧めします。
心臓から全身に送り出された血液が血管の壁を押すときの圧力を血圧と言います。高血圧とは血圧が高い状態が続くことで、収縮期血圧/拡張期血圧のどちらか一方、
あるいは両方が140/90mmHg以上になることを言います。そのままにしておくと心臓病、腎臓病、脳卒中などの重大な病気の原因になることがあり、血管の壁に圧力がかかり続けることで、血管を傷め、次第に血管が硬くなることで動脈硬化へとつながります。
高血圧は、原因がはっきり分からない本態性(ほんたいせい)高血圧と、原因が特定できる二次性高血圧に分けられます。
日本人の高血圧は約90%が本態性高血圧であることが知られていますが、血圧が上がる要因として、家族性のものが60%と言われています。これには遺伝の要素と、家族が良く似た環境/ライフスタイル(塩分の高い食生活、肥満、運動不足)で過ごしていることが要因のようです。嗜好(喫煙・飲酒)過多、また精神的なストレスなど、生活スタイルの要因も重なって、高血圧を引き起こしていることも少なくないため、一度基本に立ち返り、生活習慣の改善を目指すことも重要です。
「悪玉」と呼ばれるLDLコレステロールが増えたり、「善玉」のHDLコレステロールが減ったり、トリグリセライド(中性脂肪)が増えたりした状態のことをいいます。この状態を放置していると動脈硬化が起こり、静かに進行して、心筋梗塞や脳梗塞、閉塞性動脈硬化症という疾患の原因になります。LDLコレステロールやトリグリセライドが高ければ高いほど、HDLコレステロールは低ければ低いほど動脈硬化が進みやすくなります。なおHDLコレステロールは細胞内や血管内の余分な脂質を肝臓に戻す働きがあり、LDLコレステロールを減らすことに役立っています。
高脂血症の主な原因は食生活(カロリー過多)や嗜好(喫煙・飲酒)過多、運動不足、遺伝などが考えられます。
ただ、生活習慣とは関係なく、遺伝的にLDLコレステロールが高い場合がありますので、こうした方は若いうちから動脈硬化が進みます。コレステロールが高いといわれた方は、年齢に関係なくご相談ください。
血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が高くなる病気です。人体は、37兆個の細胞から成り立っていますが、この細胞が働く為のエネルギー源がブドウ糖です。ブドウ糖が細胞の中に入るためには、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが必要です。(一部の細胞ではインスリンなくてもブドウ糖が細胞内に入ることができます)
よって、インスリンの量が不足したり、インスリンの働きが悪くなったりすると、ブドウ糖が細胞内に取り込みづらくなり、ブドウ糖が血液中にあふれ、ブドウ糖濃度(血糖値)が高くなってしまうのです。
血糖値が高いということは、エネルギーとなるはずのブドウ糖が、細胞内に十分に補給されず、細胞の働きは悪くなっていきます。また、血液中に濃度の高いブドウ糖が居座ることで、のどが渇く、尿が多い、疲れやすいなどの自覚症状のほか、傷が治りにくい、感染症にかかりやすくなるなどの副次的な悪影響が出てきます。血糖値が高いと言われている方や、糖尿病であると診断されている方は、合併症を予防するためにも、前向きな気持ちで血糖管理を続けることが重要です。
高尿酸血症とは、尿酸値が7.0を超えた状態を言います。尿酸値は高ければ高くなるほど痛風の発症リスクが高くなることが知られています。具体的には、尿酸値が9.0を超えたところで急に痛風発作リスクが跳ね上がるため近年の「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」では、尿酸値が9を超えれば痛風予防のために尿酸降下薬での治療しましょう、と言われています。
では痛風を合併しない無症候性高尿酸血症の治療はどうすれば良いのでしょう。
高血圧や糖尿病、メタボリック症候群などがある人とない人で治療方針に少し違いが出てきますが、まずはアルコールや食事などの生活指導が基本となることはこれまで同様です。痛風発作予防のための治療目標値は尿酸値7.0未満となります。健康診断でも実施されているこの尿酸値測定ですが、今後は尿酸値の管理により、心筋梗塞や腎不全など、将来的な心腎系疾患の予防に繋がるかどうかについて、世界的にも検討が進んでいますので、このところ高尿酸血症に対しては非常に注目が集まっています。
当院においても、エビデンスをもとに、これまでの痛風発作の既往、家族歴、現在の腎機能の状態などを参考に、患者さん個別の治療法を考えていきます。
閉塞性動脈硬化症とは、足の動脈が硬くなってしまうことで血流が悪くなり、足に様々な症状を引き起こす病気です。足のだるさや、歩行時に足がしびれてくるなど、整形外科的な病気に似ていることもあります。症状が進行すると歩行にも障害が出るだけでなく、足先の壊死により切断せざるを得ない状態となることもあります。これまでに列挙してきた、高血圧、高コレステロール血症、糖尿病、そして喫煙などが、この病気の進行と深く関係してきますので、定期的に症状の問診や、動脈波検査を行うことが重要です。症状から、この閉塞性動脈硬化症が疑わしい場合は、迷わず来院ください。
当院では開院から4年間で約10名の患者さんを、血管内治療施設にご紹介しています。